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東大大学院で理転する話その3~数学編~


 牛乳です。大学院理転シリーズ3記事目になります。今回は数学編です。使用した参考書や、具体的にどの範囲を学んで院試に臨んだのかまとめておこうと思います。その1で話したように、数学は3問構成で線形代数・解析・確率から1題ずつ出題されます。ここでは分野別に順を追って書いていこうと思います。

 

記事一覧

3. 数学編←いまここ

 

線形代数

 線形代数の学習で使用した参考書は

・マセマ線形代数

・新版演習線形代数(サイエンス社)

の2冊です。線形代数についてはほぼ本の頭から順に学習していきました。直交行列は院試で頻出なので直前の問題演習はそこを重点的に行いました。また直交行列に関する証明問題もかなり出題されるので演習線形代数と睨めっこしながら基本的な証明の流れをしっかり覚えました。上記の2冊で学習しているとベクトルへの応用や線形空間の章が出てくると思いますが、そこは飛ばしました。線形については本番でもやってきたことを出し切れました。

 

解析

 解析は非常に範囲が広く、微積分や常微分方程式に始まり、複素関数やフーリエ解析に加えて偏微分方程式など難しい分野も多くて対策が大変です。

・マセマ微分積分, フーリエ解析, ラプラス変換, 常微分方程式, 偏微分方程式, 複素関数

・新版演習微分積分, 新版微分方程式(サイエンス社)

といった参考書に加え、複素関数やフーリエラプラス変換については工学部の数学演習の授業を履修して対策を進めました。

 微積分は正直対策不足感はありましたが、最低限高校の数3でやるような微積分の変形とテイラー展開あたりは完璧にしておきましょう。

 常微分方程式は2階の微分方程式までの解法パターンをしっかり書けるようにしておくことが大事だと感じました。演算子や級数解法の単元はあまり使いたくなる場面がなかったです。

 フーリエ解析とラプラス変換は信号処理分野でもめっちゃ使うのでマセマの隅から隅までやりました。やりましょう。

 複素関数は正直めっちゃ難しいですが、これも離散信号処理で使うので出来るようになる必要があります。悲シイタケ……。マセマで言うと後半部の議論である複素積分がかなり大事になってきます。EMANの物理学のサイトにある複素関数のページが非常に分かりやすくて重宝しました。

 偏微分方程式は正直出ないと踏んでいたのですが、出ます……。しかも使っている知識は常微分方程式の知識で意外と頑張れるので、もっとやっておけばよかったと反省しています……

このように正直解析分野のコスパはめっちゃ悪いのですが、基本的な計算力はめっちゃ身について信号処理分野などの地力に活かされてくるので頑張りましょう。

 

確率

 確率分野で使った参考書は

・マセマ統計学

のみです。しかも後半の統計分野はやらなくていいです。

 ただこれはめちゃくちゃ反省点なのですが、連続型の確率の問題はたくさん問題演習しておきましょう。院試では、大学入試みたいな高校数学の知識だけで解ける問題か、連続型の確率密度関数を用いた問題のどちらかが出題されます。前者は受験数学を一通りやった人ならチャート式数学なんかをチラチラ復習しながらいきなり院試の過去問で演習しても何とかなりますが、後者の場合が個人的には非常に取っつきづらく、演習不足が原因で院試本番でも大事故を起こしてしまいました。ただこの類の問題演習は探してもあまり良いものがなくて困った記憶もあるので、良い本があれば誰か教えてください。

 

 最後に一般論になりますが、友人に頼んだり研究室見学を利用したりして数学の過去問の解答は1年でも多く揃えておきましょう。僕は幸い周りに情報理工を受験する友人が多く、数学の解答が10年分くらい手に入ったので非常に助かりました。(Yくんマジでありがとう)

 長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました!次回は専門科目編になります。

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